備考:直火式

小型コンロの上で炎にあぶられる直火式の抽出器

直火式の抽出器はコンロの上に直にエスプレッソの抽出器を置いて加熱し、熱を加えた際に発生する蒸気圧力によって抽出する方法である。

具体的には、抽出器の底面が水タンクとなっており密閉されていて、下から熱を加える事で沸騰した湯がサイフォンにより器具内部にあるエスプレッソ挽きのコーヒー豆粉末が詰められた空洞を通って、その上部にあるカップや、またはコーヒー溜まりに溜まるようになっている。なお電気式では、コーヒー豆粉末とフィルターがカートリッジ化されているものもあるが、直火式ではそこまで進歩していないのがほとんどで、フィルターも円盤状の紙フィルターを挟み込んで、器具本体に切ってあるネジを使って、器具の上下を結合させる。

直火式の器具では電気式のエスプレッソマシンと違い、器具の大きさによって一杯用から多人数用までが決定されるが、家庭などで楽しむ場合は器具が小さく構造が簡単であるため総じて安価で、また置き場所も取らない。反面ではコーヒー豆がフィルターに詰まらない限りはそれほど高い圧力で抽出している訳ではないため、多少抽出され易い成分ばかりに偏る傾向があり、風味という点で劣る面が見られる。また当然のことではあるが、一度に作れるのは器具の規定容量以下の量で、またコーヒー豆やフィルターのセットに水の充填と一回ごとに手間がかかり、連続して入れることができない。

なおコンロの上に載せる器具であるが、一人用のものは底が小さく、一般のガスコンロに載せる際に専用の五徳や補助金具を使う場合もあるほか、アルコールランプやキャンプ用のアウトドアコンロなど、小さい調理用熱源を使う場合もあり、逆に器具が小さいため、換気には注意も必要ではあるがキャンプや登山での戸外などで淹れることも可能である。またフィルター目詰まりによる器具の破裂を避けるため、器具の水タンクには大抵、小さな圧力弁(一種の安全装置)が取り付けられており、圧力異常の際にはここから高温高圧の水蒸気が噴出することもあるが、これも注意が必要である。